糖尿病とは?

糖尿病とは

糖尿病ってどんな病気

糖尿病とは血液中のブドウ糖(血糖)が正常よりも高い状態が続く病気です。
血糖値が高いまま放っておくと、徐々に体中の血管や神経が傷つき、さまざまな臓器に合併症が起こってきます。

私たちは毎日の食事からたんぱく質、脂質、糖質(炭水化物)などさまざまな栄養素をとり入れていますが、このうち血糖値に影響するのは主に糖質で、米やパン、めん類に多く含まれます。
これらの食べ物をとることにより、糖質が小腸でブドウ糖に分解され、血液中に吸収されます。
血糖値は食事をすれば一時的に高くなりますが、「インスリン」というホルモンの助けにより、ブドウ糖が脳や身体を動かすエネルギー源として利用され、食事前の血糖値にもどります。

このように血糖値を調節する重要な役割をもっているのが「インスリン」というホルモンです。
食事をして血糖値が高くなると、胃の裏側にある膵臓という臓器から分泌されます。

糖尿病は大きく分けて2種類あります
●インスリンがほとんど作られないタイプ(1型糖尿病)

子供や若い人が急激に発症することが多いという特徴がありますが、成人になってからゆっくり発症することもあります。(緩徐進行型1型糖尿病)
インスリン治療が不可欠です。

●インスリンのききめが悪くなるタイプ(2型糖尿病)

体質的に糖尿病になりやすい人が、食べ過ぎや運動不足、肥満などの生活習慣の影響を受けて発病します。糖尿病患者さんのほとんどはこのタイプです。

糖尿病ってどんな病気

初期の軽い糖尿病ではほとんど症状はありませんが、
血糖値が高い状態が続くと、

  • のどが渇く
  • 尿の量や回数が増える
  • 体がだるい
  • やせる

などの症状が出てきます。太っていた糖尿病の人が食事療法もしないのにやせてくるのは、糖尿病が悪化している証拠です。

糖尿病合併症とは

糖尿病合併症とは、高血糖の状態を放置したことによって、体中の血管や神経が傷つき、さまざまな臓器に起きる障害のことで、このうち「網膜症」「腎症」「神経障害」は三大合併症と呼ばれます。

糖尿病のおもな合併症

血糖の高い状態を放っておくと、体中の血管や神経が傷つき、さまざまな合併症が発症します。

糖尿病網膜症 糖尿病腎症 糖尿病神経障害 脳梗塞 心筋梗塞

細小血管障害(糖尿病の三大合併症)

糖尿病網膜症

眼の眼底にある網膜という神経の膜にある細い血管が、高血糖により障害される合併症です。
かなり進行するまで自覚症状がないことも多く、最悪の場合は失明に至ります。
糖尿病と診断されたら早期に眼科を受診し、定期的に検査を行うことが必要です。
糖尿病網膜症は日本人の成人の失明原因第一位となっています。
眼底検査を行います。必要な場合は眼科医を紹介いたします。

糖尿病腎症

高血糖により腎臓にある細い血管が障害される合併症です。
早期の段階で微量の蛋白が尿中に出現しますが、自覚症状はありません。
進行すると、血液中の老廃物を尿として排泄する機能が失われ、透析治療が必要になります。
現在、日本人の新規透析導入患者さんの原因疾患第一位は糖尿病腎症です。

糖尿病神経障害

高血糖により末梢神経が障害され、手足に痛みやしびれなどの感覚異常が現れる合併症です。
進行して知覚が低下した結果、足壊疽となり足を切断しなければばらない場合もあります。

また、糖尿病は動脈硬化を進行させる原因のひとつでもあり、心筋梗塞や脳梗塞など発症する危険性が高くなります。
こうした合併症は早期に発見し、適切な治療(食事療法・運動療法・薬物療法)を行うことにより進行を防ぐことができます。

大血管障害(動脈硬化)

大血管障害とは太い血管の動脈硬化(血管の壁が硬くなったり、厚くなったりして血流が悪くなってしまう状態) などにより起こる、心筋梗塞や脳梗塞などです。
糖尿病患者さんは、高血糖により血管が障害されるため動脈硬化が進行しやすく、糖尿病がない人に比べて、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすいといわれています。

脳梗塞

冠動脈(心臓に酸素や栄養を運ぶ血管)の動脈硬化が進み、血管が詰まってしまった結果、血流が途絶え、心筋の一部が機能しなくなってしまった状態

心筋梗塞

脳血管の動脈硬化が進み、血流が途絶えてしまった結果、脳細胞に酸素や栄養が運ばれなくなり、脳細胞の一部の機能が失われた状態

この他にも、感染症や歯周病・骨減少症などがおこりやすくなります。

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